ロゼッタストーン日記

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zoom RSS 2月9日(火) ロゼッタストーン日記

<<   作成日時 : 2010/02/09 23:30   >>

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検察OB、郷原伸郎氏の『検察の正義』(ちくま新書)を読んだ。郷原氏は、検察OBでありながら、検察批判の急先鋒として活躍(?)中だ。今回の小沢事件では、小沢幹事長はもちろん、秘書の逮捕についても本当に適正なものだったのかどうか、疑問を投げかけている。メディアによく出る法曹界関係者の中では、異端児なんじゃないかと思う。(だから、ちょっと気になるんだけど)

この本は「検察」のあれやこれやを扇情的に告発した本なのかと思っていたが、東大理学部出身という理系人間だからか、表現は抑制的で、淡々と自分の体験、考えを綴っている。紹介されている個々の事例についての専門的な判断は、正直、私の知識ではよくわからない。でも、「簿記がまったくわからない、という特捜検事は珍しくなかった」「(東京地検特捜部で最も違和感があったのは)被疑者や参考人を屈服させて、供述調書をとってしまえば、何でもできるという考え方」なんていうところには、ギョっとする。検察の現状を考えるのにはよい本だと思う。

最後の章で「長崎の奇跡」として、郷原氏の長崎地検次席検事時代の体験が語られている。公共事業を受注するゼネコンと自民党長崎県連との癒着に切り込んだ事件だ。自民党長崎県連幹事長(逮捕前に辞任)らが公職選挙法違反と、「裏献金」に関する政治資金規正法違反で逮捕、起訴。県議会議長が政治資金規正法違反で略式起訴され、失職した。本にはなぜか明確に書いてないが、幹事長らは長崎地裁で有罪になっている。

「ゼネコン」「政治家」「裏金」「幹事長」「政治資金規正法違反」……、今度の小沢事件に出てくる言葉とそっくりだ。そんな郷原氏が検察を批判するのは、逮捕できるだけの根拠にこだわっているのだろう。

本人が語る「成功談」なので、多少割り引く必要があると思うけど、ここに書いてある長崎事件が事実なら、確かに奇跡的だ。
当初、徹底抗戦の姿勢だった長崎県連幹事長(逮捕前に辞任)は「一緒に長崎から日本を変えたい」と取調べ検事と手を取り合って涙を流し、県連職員も積極的に捜査に協力。ゼネコン各社の担当者も事件に至った事情や具体的な事実を積極的に供述。県民からは多くの激励文が寄せられたという。ゼネコンの担当者とは、すべてが終わったあとは「戦友」で、いまではお酒を酌み交わす仲になったとか。……うーーん。そんなにうまくいくものなのだろうか。

捜査がうまくいった要因の1つとして、郷原氏は、「捜査対象者と対立軸を作らず、味方に取り込んだこと」をあげている。「長時間の対峙型取調べ」(「歩兵戦」というそうだ)ではなく、捜査対象の会社の役職員を説得して、社内調査で事実を明らかにしてもらうような手法(「空中戦」というらしい)を要所要所で展開した。さらに、捜査員が相互に協力・連携を図る「サッカー型フォーメーション」を取ったことが力を発揮したという。通常の検察捜査は、副部長や主任検事だけが事件の全体像を理解していて、応援検事は担当する取調べに必要な情報だけを与えられるのが一般的なのだとか。

郷原氏の理想論は魅力的だけど、理想的すぎて、すべての事件に適用できそうな気がしない。以前、テレビで、元検察官が「個々の検察官同士は情報を交換しない。それぞれが独自に調べた内容を上司に提出し、上司が比較検討し、捜査が正しく行われているかどうかをチェックする」というようなことを言っていた。情報を共有しないやり方が有効な場合だってあるのかもしれない。どんな捜査のやり方が正しいのか、私にはまだわからないなあ……。

私がいま検察に求めるのは、「これだけはやってはいけない」という私たちが納得できるルール作りと、それが守られているかどうかの監視、悪質な捜査をした場合の責任の所在をはっきりさせること、要所要所での明確な説明、それだけなんだよね。

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