ロゼッタストーン日記

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zoom RSS 12月9日(木) ロゼッタストーン日記

<<   作成日時 : 2010/12/09 23:30   >>

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前の会社にいる時代にお世話になったデザイナー、蛭間重夫氏が亡くなったという知らせが届いた。享年79歳。晩年は闘病生活が長く続いていたようだ。

青春出版社で「BIG tomorrow」「SAY」のメインデザイナーとして、創刊の頃から活躍されていた。他誌と一線を画した独特のデザインは、蛭間氏の手によるものだ。デザインは美しければいいわけではない、読者にわかりやすくなければいけない…というのが蛭間氏のモットーで、新人がレイアウトをお願いしに行くと、「まったくなっていない」とよく怒られたものだ。

デザインに関しては、編集部の上司や先輩よりも、蛭間氏に教わることのほうが多かった。編集部員からは自然に「先生」と呼ばれていた。

通常、デザイナーさんとの打ち合わせは長くても1時間程度だろう。だが、先生との打ち合わせは大変だった。こちらが作ったラフのどこがよくないかを懇々と説明され、目の前で悩みながら作り変えてくださる。その作業がある程度形になるまで帰れないのである。

打ち合わせが2時間、3時間は当たり前。5時間、6時間かかることもあった。「深夜2時までかかった」「私は3時までだった」など、よく編集部員同士で報告しあった。

打ち合わせの合間に、現代美術の情報なども教えてもらった。家が比較的近所だったこともあって、何度か食事をごちそうしてもらったこともある。先生が紹介してくださったお店はおいしくてセンスがよかったので、その後、自分でも通ったりした。

昨年、会社のOB会があったとき、先生の息子さんがいらっしゃって、少しお話をした。私が会社を辞めるとき、「これが弘中さんの最後の仕事だから」と、愛おしそうにデザインしていた…と聞いて胸が熱くなった。

先生はもといた会社のメインデザイナーだったし、十分なギャラがお支払いできない事情もあって、退社後、仕事をお願いするのはためらわれた。お願いすればきっと引き受けてくださることはわかっていたのだけれど。結局、ゆっくりお話をすることもないまま、お別れすることになってしまった。

いまになって私ができることは何もない。ただこうして追悼の言葉を書くだけだ。誰かが亡くなるたびに、哀しみとともに後悔がふりつもる。私はいったい何をやっているんだろう。

ここ何年か年賀状のやりとりも途絶えていたのに、わざわざ知らせてくださった息子さんに感謝。息子さんは、お父さんと同じ仕事につき、追いつき追い越すべく頑張っているようだ。きっと先生は天国で見守っているに違いない。

わかりやすいレイアウト、読者の立場にたったレイアウト…。私も先生の教えを忘れないようにしなければ。心からご冥福をお祈りいたします。

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