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zoom RSS 5月2日(水) 「小沢事件」の判決について思うこと

<<   作成日時 : 2012/05/02 23:22   >>

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先日、小沢一郎氏に「無罪判決」が出た。この判決については反小沢側は「虚偽記載を認めていてほぼ有罪なのにギリギリのところで無罪になった」と相変わらず小沢氏に「説明責任」を求めているようだし、小沢支持者側からも「手放しで喜べる判決ではない」という声が上がっている。

そんななかで、この判決を評価し、非常にわかりやすく解説していたのが日隅一雄弁護士のブログだ。日隅氏は原発事故のあと、東電会見に毎回出席し、鋭い質問を続けていた人。1年前に末期ガンと診断され、現在闘病中であることを公表している。日隅氏の解説を読みたい方はこちらのブログで、「東京地裁判決は小沢さん無罪をこのように説明している〜判決批判する前に読んでほしい」という記事、「【回答編】小沢さん無罪報道によって分かるあなたのメディアリテラシー度〜NHKニュースを題材に」という記事をどうぞ。
http://yamebun.weblogs.jp/my-blog/

日隅氏のブログを参考に、今回の事件を整理すると…。

今回、裁判所が「虚偽記載」と認定した内容は、1)2004年10月に小沢氏が石川議員(当時の秘書)に手渡した現金4億円を報告書に記載していない、2)2004年10月に土地を購入して代金の決済も終わっていたのにそれを2005年の報告書にずらして記載した、ということ。

土地購入にあたって石川氏は4億円の預金を担保に、銀行から4億円の融資を受けている。日隅氏によれば、「裁判所は、小沢さんはいったん、現金4億円を土地の購入代金として使うために、石川秘書に渡したが、急きょ、預金担保の手法を使うこととなり、この現金4億円を小沢さん名義の預金としたうえ、その預金を担保として小沢さん名義で4億円を借り入れ、これを土地購入代金として陸山会に貸し付けた、と考えた可能性があると認定したのです。時期遅れについては、本当に取引そのものを遅らせたのだと思っていた可能性があるという認定です」とのこと。

私には経験がないが、「預金担保」というのはよくあることらしい。陸山会では不動産を取得する際に、預金担保貸付を利用する慣行があったという。なぜ現金があるのに、わざわざお金を借りるかというと…。
「手元の現金を支払ってしまうと、もう、その現金は、手元からなくなります。でも、担保として提供しておくだけなら、担保からはずせば、いつでも自由になるお金になります。今回のような不動産売買が典型です。良い不動産があるが、購入する不動産を担保として借り入れして購入するためには、銀行の決済で時間がかかるため、ほかの人に売られてしまう可能性がある。そこで、とりあえず、手持ちの現金(たとえば4億円)を定期預金にして、それを担保として現金(たとえば4億円)を借り入れして不動産の代金とし、後ほど、購入した不動産を担保とすれば、預金は担保からはずれるため、自由に使うことができるわけです。預金担保はすごく使い勝手がいいわけです」(日隅氏ブログより)

実際のお金の流れは少々複雑だ。石川氏は、10月13日〜27日、小沢氏から借りた現金のうち約2億円を陸山会名義でりそな銀行口座に入金。さらに1億8千円を別の5か所の銀行支店に分散入金した。28日、りそな以外の銀行に預けたお金のほとんど(1億7千万円)をりそな銀行口座に送金。さらに29日、さまざまな政治資金団体の口座からりそな口座に3億5千万円(小沢氏のお金は含まれていない)を送金。29日午前中に、この口座から土地の売り主に土地代金を支払った。さらに同じ日、この口座の中の4億円を定期預金にし、りそな銀行から小沢氏名義で4億円を借り入れる契約をした。こうして銀行から入金されたお金を、石川氏は29日の13時半ごろ陸山会のりそな口座に送金した。

銀行からの融資は、土地取引に間に合うように計画されていたが、書類提出が間に合わず午後になってしまったらしい。銀行からの融資を受ける数時間前に土地代を支払っていることから、「土地取引のお金は、銀行からの融資ではないじゃないか」と、後日非難されることになったわけだ。

銀行から借りた4億円は、2005年11月に池田秘書が陸山会の4億円の定期預金を解約して返済し、新たに2億円の融資を受けた(結果的に半額返済したことになる)。2006年3月、池田秘書が定期預金を解約して残りの2億円を銀行に返済。2007年5月、池田秘書はさまざまな口座から陸山会のりそな口座にお金を移動し、小沢氏に4億円を返済している。

「陸山会や関係団体における経常的な資金繰りやその経理処理については,石川や池田に一般的に任せていたと認められ(←判決より)」ることから、小沢氏は定期預金を担保に銀行の融資を受けることは了承していても、こうした具体的なお金の流れまでは認識していなかった可能性がある、というのが裁判所の判断のようだ。つまり、陸山会に貸したのは、定期を担保にして融資を受けた4億円だけで、最初に石川氏に渡した4億円については収支報告書に記載する必要はない、と考えていた可能性があるから「共謀」には当たらないということ。

なんで、こんなややこしいことになったかというと、「本件預金担保貸付は、本件4億円の簿外処理を目的とするものであるが、石川が、先輩秘書からの示唆を受け、陸山会の慣行も考慮して思いつき、短期間で実行したものであって、返済計画等の事後処理は池田に任せているなど、ある意味で、その場しのぎの処理として行われたとみるのが相当である」(判決より)ですって。石川氏も深く考えて経理処理したわけではなく、その場しのぎでやってしまっていたのか…。

石川氏は土地取得を翌年に延ばしたかったが、売り主の東洋アレックスとの間で合意できず、結局、「所有権移転仮登記だけにとどめ、本登記は平成17年1月7日に行うこと、これに伴って、平成17年分の固定資産税が1月1日の登記名義人である東洋アレックスに課されるが、陸山会がこれを負担することなどを内容とする合意書を作成した」(判決より)という。土地取得を翌年に延ばしたってことは、税金を逃れたいから?…と私はひそかに疑っていたのだけど、固定資産税は陸山会が払っていたわけだ(ま、売り主側にしたら、翌年の税金なんて払いたくないものね)。税金が関係ないなら、報告書への記載は、別に本登記の1月でもかまわない気がするのだけど、それってそんなに許されないことなのかな。

石川氏もこの点については、深刻には考えていなかったのかもしれない。「もちろん、その場合、虚偽記入による摘発の危険があるが、この点については、石川は、この程度で摘発されることはないだろうと甘く考えて、深刻に受け止めなかった可能性がある。仮に、石川が摘発を受ける危険を強く認識していたとすれば、しっ責を覚悟してでも、被告人に相談するなどして、本件土地公表の先送り自体を断念したはずであると考える余地もある」(判決より)

裁判所は「あらかじめ了承を受けた本件土地公表の先送りの方針に反し、決済全体を遅らせる交渉に失敗したことや、本件土地の取得等を平成16年分の収支報告書に計上しないことに問題があるということは、石川にとってはいわば失態であり、被告人の不興を恐れて報告しなかったと考える余地もある」「前記検討のとおり、このような経緯は、秘書の裁量の範囲内であるとして、被告人が報告を求めない事柄であると考える余地がある上、本件預金担保貸付によるりそな4億円を本件売買の決済資金に充てるという方針と反する内容であること、石川が、自らの不手際として被告人の不興を買うおそれがあること、いずれにせよ、本件土地公表の先送りを実行するつもりであり、摘発の危険は高くないと甘く考えていたことから、あえて被告人に報告しなかったと考える余地もある」などと指摘。簡単に言えば、石川氏は「怒られるのが怖くて報告してないかも…」と言われちゃっている。事実はわからないけど、世間ではよくある話だ。

「理想国会」に登場してもらった郷原信郎氏は、この判決について「政治資金収支報告書上、小沢氏の多額の現金保有の事実の表面化を避け、不動産取得時期の先送りをする上で『事務処理手続きを誤り、虚偽の認識を持って報告書に記入した事案』との認定に近い」と述べている。また、「小沢氏の資金管理団体である陸山会の会計処理は、会計に関して殆ど素人に近い秘書の石川氏や池田氏に委ねられ、余りに杜撰なものであり、何億にも上る高額の不動産を取得したり、その資金に関して銀行からの融資を受けるなどの多額の資金移動が行われたりするのに相応しいものとは到底言えないものであった」として、それが、虚偽の認識を否定できない「事務処理上の問題」につながったと指摘している。
http://www.gohara-compliance.com/uploadPDF/ozawa.pdf

そもそも水谷建設からの裏金疑惑もあった4億円は、どういうお金なのか? 裁判所は

「被告人は,本件4億円の原資について、『かなり以前から、元赤坂タワーズの金庫で現金として保管していた個人資産である。その原資は、親から相続した不動産を処分して、現在の自宅を取得したときの差額である約2億円、家族名義の預金を払い戻した約3億円、議員歳費や印税等が貯まったものを払い戻した1億6〜7000万円であり、手持ちの現金として保管していた』旨公判で供述している。この供述は、細部において、あいまいな点や捜査段階における供述との変遷がうかがわれるが、大筋においては、この供述の信用性を否定するに足りる証拠はない」

としている。
(ちなみに政治家の資金公開には現金は含まれていないそうだ。一定金額以上の現金は公開することにしたほうがいいんじゃないかな)

判決の内容をおさらいしながら、改めて思う。小沢氏は確かに有力な議員だけど、この事件って、日本中が大騒ぎして見守るような内容なの? もちろん報告書には正確な記載をしたほうがいいと思うけど、自己資金がぐるぐるまわっていただけで、特に小沢氏が得をしているわけでも、誰かが損をしているわけでもないのに、こんなことが政治に大きな影響を与えるのは、不幸だ。私個人としては、多額の歳費をもらいながら、ちっとも働かない議員のほうをもっと問題視してほしい。

さらに見過ごせないのは、捜査報告書をねつ造してまで、小沢氏を起訴しようとたくらんだ検察の体質。

郷原氏は次のように述べている。

「そもそもの発端は、3年余り前、小沢氏の秘書を比較的少額の政治資金規正法違反で突然逮捕したところにあった。政権交代が現実化する中、総選挙を控えた時期に野党第1党党首であった小沢氏に対して行われた捜査は、迷走を続けた末、検察にとって不本意な結果に終わった。その後、政権交代で与党幹事長の地位に就いた小沢氏に対して、遺恨試合のような形で特捜部が着手したのが陸山会事件であった。当初、小沢氏から提供された不動産購入代金4億円の原資がゼネコンからの裏金であるとの想定で石川氏と秘書3人を逮捕したが、裏金捜査は不発に終わり、4億円虚偽記入等の形式犯だけの立件となった。検察としては、小沢氏不起訴は当然の判断だったが、それに納得できない特捜検事らは、検審の議決によって不起訴決定を覆すことを画策した。虚偽記入についての小沢氏への報告・了承を認める石川氏の取り調べ状況に関して、供述調書が信用できるように思わせる虚偽の報告書を作成して検審に送付、素人の検察審査員は小沢氏の共謀を認定し、起訴すべきとの議決を出した。検察が2度にわたって不起訴としているだけにより強く働くべき「推定無罪の原則」は殆ど無視され、指定弁護士の起訴によって被告人の立場に立たされた小沢氏は、あたかも犯罪者であるかのように扱われ、党員資格停止など重大な政治的ダメージを受け、また、それは、政権交代後の日本の政治の混乱にも大きな影響を及ぼした」

捜査報告書をねつ造したとして、いま非難されているのは、元東京地検特捜部の田代検事だ。保釈中の石川議員が田代検事の取り調べを録音していたことから、報告書に実際にはなかったやりとりが記載されていることがわかった。

が、この田代検事、けっこう好人物っぽいのである。小沢氏裁判を毎回傍聴していた江川紹子さんは「田代検事は他の検事よりも比較的まともに見えた」といった意味のことをツイートしていたし、『検事失格』の著書がある元検事、市川 寛氏 も「あいつ、いい奴なんだよー」とつぶやいていた。また、石川議員に録音を勧めた佐藤優氏(鈴木宗男氏事件のときに逮捕された、ラスプーチンと呼ばれていた元外務官僚)は、「石川議員は当初録音することに抵抗していた。石川議員は田代検事が好きだったのだ」といったことを書いていた。(※私の記憶で書いているので、言い回しは多少違っていると思います)

郷原氏は、「理想国会」の取材で「供述調書は無理なやり方で取っているんだということに気づいている検事はたくさんいる。では個人としてどういうことができるのか。何もできない。仮に組織全体の考え方は従来どおりで、ある人が『自分の正義感からすると、こういうことをやっちゃいけない』といって、特殊な行動を取ったとしたらどうなるか。完全にその世界からスポイルされる」と述べている。
http://www.rosetta.jp/risoko/

問題は田代検事じゃなくて、その上司だと思う。検察として小沢氏の不起訴を決めたのに、捜査報告書をねつ造してまで小沢氏を起訴しようとした検事はいったい誰だったのか。なぜそうなってしまったのか。本当の問題はどこにあるのか…。検察は、いまこそ、自分たち組織に対して捜査能力を発揮してほしい。




悪党?小沢一郎に仕えて
朝日新聞出版
石川知裕

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