ロゼッタストーン日記

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zoom RSS 6月14日(土) 資本主義と自由

<<   作成日時 : 2014/06/14 14:28   >>

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世間はワールドカップで盛り上がっているが、サッカーにあまり興味のない私は今一つついていけない。この期間は粛々と仕事をしよう。

今年発行予定のロゼッタストーンの新刊は、『自由の国 平等の国』という児童小説だ。以前、「理想国会」に登場してもらった政治哲学者の小川仁志先生に執筆をお願いしている。

小川先生は、哲学の入門本から自己啓発書までたくさんの本を出版されているが、小説は初めてとのこと。数日前に第一稿が届いたが、初めてとは思えない出来栄えだ。才能のある人というのは器用だなあ。小川先生はいつも7、8割ぐらいできた時点で編集者に原稿を見せ、編集者の意見を取り入れて完成させるというスタイルらしい。懐の深い方なので、私の思いつきや感想もアレンジしながら取り入れてくださる。物語づくりに関わらせてもらえて光栄だ。

物語とは直接関係ないのだが、そんなわけでいま、自由と平等について、少々興味を持っている。最近、ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』(村井章子訳・日経BP社)を読んだ。正直この手の本は苦手でこれまであまり読んでこなかったのだが、訳がうまいのか、非常に読みやすかった。この本は1956年に行なったフリードマンの講義をまとめたものだという。いまから60年近く前だ。それがこれだけ流れの早い世の中で、まったく古さを感じさせないことに驚く。「当初、その理論は主流派から異端視されたが、変動相場制、税率区分の簡素化、政府機関の民営化といったフリードマンの政策提言は、いまや世界の常識となった」(本のプロフィールより)。天才の思考というのは、時間の流れを先取りしているのね。

フリードマンは、競争的市場を何よりも大切に考えている、徹底的な自由主義者だ。

私は格差が少ない社会を希望する立場だけれど、

「よいことをする権力は、悪いことをする権力にもなり得る。また、いま権力を握っているのが善人でも、明日は悪人に取って代わられるかもしれない」
「いつの間にか、政府は進歩よりも現状維持を、多様性よりも可もなく不可もない均質性を選ぶようになるだろう」

など、政府に権力を集中させることを危惧するフリードマンの主張はなるほどなあと思う。また、

「たとえばパンを買う人は、小麦を栽培したのが共産党員か共和党員か、民主主義者かファシストかなど気にしない。…人格を持たない市場は経済活動を政治的意見から切り離すこと、そして経済活動において、政治的意見や皮膚の色など生産性とは無関係な理由による差別を排除することがわかる」
「不平等な富の配分は、政治的自由を守るのに役立ってきたのである。資本主義社会では、自分の思想を広めようとして資金集めをするとき、それがどんなに奇抜な発想であっても、気前のいい資産家を何人か説得できればそれで事足りる」
「市場は、実質的な比例代表制として機能する。これに対し、公に政治的な手続きを通じて何かを行う場合には、どうしても少数意見を多数意見に従わせざるを得ない」

といった視点がとても新鮮だった。

「負の所得税」という発想も面白い。所得が一定水準を下回る場合には、負の所得税を払う=補助金を受け取る、という仕組みだ。これなら誰でも最低限の所得は確保できることになる。税に一本化すれば、貧困対策などの管理コストも安くできそうだ。税制を抜本的に改革しないといけないから、実現は難しそうだけどね。

フリードマンが亡くなったのは、2006年。アメリカは、富裕層の1%が全体の富の4割を所有しているともいわれる超格差社会だ。フリードマンは資本主義が格差を小さくするという考えだったようだけど、それについては晩年、どう思っていたんだろう…。

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