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zoom RSS 5月6日(金) 「正しさ」の見極め方

<<   作成日時 : 2011/05/06 20:44   >>

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2005年に佐賀で開催された、原発をめぐるシンポジウムの映像を見た。佐賀県の玄海原子力発電所が、プルサーマルを使用した発電(ウランを燃料とする原子力発電所の使用済み燃料からプルトニウムを取りだし、ウランと混ぜて利用する)に踏み切る前に行われたものらしい。賛成派の学者、反対派の学者がそれぞれ意見を述べている。
http://digi-6.com/archives/51726324.html

賛成派として登場しているのは、東京大学大学院教授、大橋弘忠氏ら。反対派と登場しているのは、京都大学原子炉実験所助手(現在は助教)、小出裕章氏ら。私が見た動画では、この大橋氏と小出氏が主に論戦している。大橋氏は1952年生まれ、小出氏は1949年生まれ。小出氏のほうがやや年上だが、肩書だけ見ると大橋氏のほうが立派に見える。(日本では、反原発の立場だと出世できないという噂がある)

大橋氏は「プルトニウムの毒性は誇張されている。たとえテロリストが水道に投げ込んでも、人は死なない。水として飲んでも排出される」と安全性を強調。小出氏は「事故の場合に気体となって流れてきたものを吸い込むことが問題。ごく微量な量でも、肺癌で死んでしまう危険がある」と警告している。これに対して大橋氏は、「プルトニウムで肺癌になって亡くなった方というのは歴史上いるんですか? そういう疫学的な所見はあるんですか?」と反論。小出氏は「マンハッタン計画(第二次大戦中の原爆開発計画)の労働者を追跡している研究者がいて、それで実際に肺癌で死んでいる人がいる。ただし、統計学的にそれが優位と言えるかどうかということの検証をずっと続けてきている段階です」と答えている。

さらに大橋氏は「いまのところ優位だという結果は出てないというふうに聞いてますが」と指摘。小出氏は「毒物の危険を統計学的に証明するというのは大変難しくて、沢山の人々の症例を長い年月にわたって追跡しながら証明しなければいけない。広島長崎の原爆の人たちの中から癌がでてくるということだって、何万人もの被ばく者を何十年間も追跡してやっとわかるというもの。科学は一歩一歩しかいかないということをご理解いただきたい」と述べている。

「チェルノブイリのような事故は起きない。格納器破損なんて1億年に1回ぐらい、大きな隕石が地球に衝突するぐらいの確率。水蒸気爆発なんて夢にも考えられない」と自信満々な大橋氏と、「事故というのは、どういうふうに進展するかわからない。水蒸気爆発、あるいは水素爆発が起きるということも想定できる。しかし、国はある程度以上のことは考えないという姿勢を取っている」と述べる小出氏。いまなら、もちろん、小出氏の指摘の正しさがわかる。実際、福島では水素爆発が起きたのだから。「現時点でわかっていることはここまで」と、事実をきちんと伝えようとする科学者としての誠実さもわかる。

でも、当時、同じ話を聞いていたら、私はどちらの話を信じただろうか。人間は自分の信じたい意見に、より耳を傾けてしまうものだ。「事故が起きると大変かもしれないけど、事故の危険はものすごく小さいはず…」と、小出氏が指摘する危険を過小評価し、大橋氏の安全説を受け入れてしまっていたかもしれない。

原発事故以後、いろんな人の発言を見聞きしているが、信頼できそうな科学者は「ここまでは言える」「ここはわからない」「これは専門外」と、発言が非常に慎重だ。声が大きく自信たっぷりな人よりも、わからないことについて謙虚な人を信じよう。最近は、そう思っているのである。

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