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zoom RSS 9月5日(水) 『検察崩壊』と『検察の罠』

<<   作成日時 : 2012/09/05 23:30   >>

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『検察崩壊ー失われた正義』(郷原信郎著)と『検察の罠ー小沢一郎抹殺計画の深層』(森ゆうこ著)を読んだ。

『検察崩壊』は、元検事で弁護士の郷原信郎氏が、前法相の小川敏夫議員、元小沢秘書の石川知裕議員、元特捜部長で村木事件で逮捕された大坪弘道氏(一審は有罪で現在控訴中。郷原氏は大坪氏の弁護人を務めている)、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」代表の八木啓代氏と、それぞれ対談したものだ。

陸山会事件で小沢氏は無罪になったが(現在指定弁護士が控訴中)、その公判を通じて、検察が虚偽の捜査報告書を検察審査会に提出したことが明らかになっている。田代政弘検事が石川議員を取り調べた際、石川氏がそのようすを録音していたことで、捜査報告書と実際のやりとりが全然違うことがわかったのだ。判決で裁判長は、「事実に反する内容の捜査報告書が作成された理由、経緯等の詳細や原因の究明等については、検察庁等において、十分、調査等の上で、対応がなされることが相当」など、検察の捜査方法を厳しく批判した。

八木さんら「市民の会」の告発もあって、検察は関係者を調査したが、田代検事は「嫌疑不十分」で不起訴(その後、退職)。特捜部長、副部長など他の検察官はすべて「嫌疑なし」で不起訴となった。人事処分も田代検事が減給、他の検察官は戒告と、非常に軽いものだった。

小川前法相は、この事件での検察の矛盾を鋭く指摘し、法相を辞めていなければ、指揮権を発動して、納得できるだけの徹底的な捜査を指示しただろうという。「今回のようなことをやってしまったからには、もう今後50年は、検察は信頼回復できないと思います」と小川氏。50年も信頼が回復されなかったら困るので、小川氏には、今後、国会での追及を期待したい。

石川氏は、実際に取り調べを受けた本人として、報告書と実際のやりとりの違いを具体的に証言している。レコーダーを持っていくことにしたのは、佐藤優さんの強力な勧めで、「言ってみれば、検察よりも佐藤さんの方が怖かったんですよ」とのこと。石川氏の話で、検察の意図的な調書の作り方がよくわかる。

大坪氏によれば、田代検事の捜査報告書と隠し撮りされた録音の反訳書の2つだけでも、田代検事の逮捕状はすぐにとれるし、これは田代検事が否認のままでも有罪がとれるような事件だという。大阪で起きた郵便不正事件では、前田検事の証拠改ざん問題が発覚した日に前田検事が即日逮捕、その後、上司の大坪特捜部長や佐賀副部長も逮捕・起訴された。東と西で検察の対処の仕方が極端に違っていることも納得できないようだ。

……と、それぞれに興味深い対談なのだが、私がすごいなあと感心するのは、歌手で「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」代表の八木さんだ。以前も日記で紹介したことがあるけれど、検察に対して、顔と実名をさらして戦う姿勢は尊敬する。

八木さんは中南米を中心に活動してきた歌手。2005年、メキシコでは歴史的な政権交代が行われる直前に、検察が当時最有力の野党大統領候補を逮捕・起訴しようとした事件が起きた。秘書がお金を受け取っていたというビデオがテレビで流され、「政治とカネ」バッシングが始まり、それに乗じて検察が大統領候補を逮捕しようとした。ところが、収賄は一切立証できず、結果的に書類の書き間違えミスのようなもので、無理やり逮捕に持ち込もうとしたのだという。あれ??? どこかで聞いたような話。小沢事件とそっくりだ。

結果的にメキシコでは、これは不当な捜査だと、国民が大きなデモを起こし、検事総長が辞任、新検事総長が不起訴を発表して集結したという。日本でも西松建設事件での捜査がなければ、民主党が政権をとった段階で、小沢代表が総理になっていた。八木さんの見方では、日本のこの事件は、検察が起こしたクーデターで、民主主義が踏みにじられた問題。これでは検察が気に入らない政治家を起訴立件し、思い通りに政治を動かすことができる、政治家は検察に逆らえなくなる、それはとんでもないことだ…と感じたのが検察問題にかかわることになったきっかけだそうだ。

『検察の罠』を書いた森ゆうこ参議院議員は、検察が虚偽の報告書を送った検察審査会そのものについての謎を追及している。起訴議決をした検察審査会の平均年齢の発表が何度も変わったり、結果的に発表された34.55歳という数字が、1回目の起訴相当議決を出した審査員の平均年齢と小数点第2位までまったく同じだったことに疑問を持ち、調査を開始した。本では、この調査を進めていく過程がつづられているのだが、これがミステリーのようで、なかなか面白い。ミステリー小説と違って、なぞときは完璧ではないのだけれど、黒幕は誰なんだろう…と想像がかきたてられる。

森議員は、2003年の選挙で、地元の有力議員、渡辺秀央氏に「小沢か渡辺か、二つに一つだ、仮に小沢をとったら、お前に次の選挙はない」と恫喝されたという。が、「私に対する恫喝は、火にガソリンを注ぐようなものである」と、渡辺氏に背いて、次の選挙で大苦戦しつつも、当選を勝ち取った。

理不尽なことに黙っていられないのは、八木氏も同じだ。検察が関係者をすべて不起訴処分にしたことに対し、田代政弘元検事を虚偽有印公文書作成及び行使と偽証、佐久間達哉元特捜部長、木村匡良元主任検事を虚偽有印公文書作成及び行使の共犯で、検察審査会に申し立てを行なった。
※健全な法治国家のために声をあげる市民の会HP  http://shiminnokai.net/

八木氏個人のブログでは「検察をズタズタにして差し上げましょう」と、なんとも勇ましいタイトルで、検察審査会に申し立てをした内容を紹介している。
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-658.html


ジャーナリストの福島香織氏は、今日の日経ビジネスオンラインで、中国のネットで流布したこんな笑い話を紹介している。

※ ※ ※

六カ国協議中、日本代表がトイレに席を立った時、みんなが我慢強い日本をどうしたら怒らせることができるか、という話で盛り上がった。

北朝鮮代表「国民が拉致されても怒らない国だからな」
韓国代表「独島(竹島)を不法占拠されてもにこにこしているし」
ロシア代表「北方領土とられても平気みたいだ」
中国代表「反日デモで大使館に石投げても日中友好って言っているよ」
北朝鮮代表「さすがに核ミサイルを撃ち込みゃ怒るだろう」
するとアメリカ代表がいった。「ダメダメ、それは俺がもうやってみたから」

(「お人よりにもほどがある。中国大使襲撃事件の日本の対応」より http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120903/236317/?mlp  )
※ ※ ※

私自身、争いごとの嫌いな典型的な日本人なので、こういう話を読むと悲しくなる。でも日本にだって、理不尽な相手と堂々とケンカする八木氏や森氏みたいな女性もいるのだ。

弱い者いじめは論外だけど、自分よりも大きな権力に対して、果敢に戦いを挑もうとしている女性は応援したい。やまとなでしこをなめたらいかんぜよ。

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