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zoom RSS 8月27日(土) いま一番お気に入りのジャーナリスト

<<   作成日時 : 2016/08/27 13:10   >>

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毎日何かの事件が起き、ニュースが流れる。どんなに痛ましい事件であっても、日々の暮らしに追われるなかで、詳細は少しずつ忘れていき、事件のかけらだけが記憶に残る。忘れっぽい私は、人よりも記憶しているかけらが小さいかもしれない。

そんな小さな記憶のかけらが思いがけない形でつながるすごい本を読んだ。ドキュメンタリーなのだが、ミステリー小説も顔負けの内容である。著者は日本テレビ報道局記者の清水潔氏。かつては写真週刊誌フォーカスの記者をされていたという。

本のタイトルは『殺人犯はそこにいる』(新潮文庫)。ロゼッタストーンを創業した頃、ボランティアにきてくれていた大学生が、いま編集者になっていて、自分が手がけた本を送ってきてくれたのだ。

最近は決まった番組以外、あまりテレビを見ない私は、マスコミの世界にいるくせに、清水潔さんのことを知らなかった。清水氏が桶川ストーカー事件の真相に一番先にたどりついた記者だということも知らなかった。

※この詳細については、同じ清水氏の『桶川ストーカー殺人事件―遺言―』(新潮文庫)に詳しい。報道番組「ザ・スクープ」に桶川ストーカー事件の情報を提供したのも清水氏である。この本もおすすめ。

『殺人犯はそこにいる』で、清水氏は北関東で連続して起きた幼女誘拐殺人事件に注目する。1979年から1996年の17年間の間に、半径10キロという狭い範囲で5件の幼女誘拐殺人事件が起きていたのだ。ただ、足利の3件は栃木県警、太田の2件は群馬県警と、管轄が違っているためか、一緒に取り上げられてこなかった。

清水氏はこれらの事件が同一人物の犯行ではないかと考えたが、その仮説には致命的な欠陥があった。事件のうち1件は、すでに犯人が逮捕されており、最後の事件は、犯人逮捕後に起きているのだ。すでに逮捕されている犯人が、次の事件を引き起こすことは物理的にできない。

その犯人というのが「足利事件」の冤罪被害者、菅谷利和さん。清水氏が幼児誘拐殺人事件を取材していた頃は、有罪が確定して服役中だった。

清水氏は、足利事件を丹念に調べるうちに、目撃証言などから漫画のルパン三世に似た人物が真犯人ではないかと推定し、テレビで足利事件冤罪説キャンペーンを展開する。菅谷氏はその後の再鑑定で犯人とはDNAが一致しなかったことがわかり、2009年、再審で無罪となった。菅谷さんの冤罪を晴らす一方で、清水氏は「ルパン」の居場所をつきとめる。「ルパン」のDNAは、ある教授の鑑定で、真犯人のものと完全に一致した。真犯人逮捕は時間の問題かと思われたのだが、そこには警察のメンツという大きな壁が立ちはだかっていて……。

というような話。

足利事件や桶川ストーカー事件での清水記者の取材は、名探偵のようで、本当に素晴らしい。私が記憶のかけらとして持っていた「パチンコ店での幼児誘拐」や「桶川ストーカー事件」や「足利事件の冤罪被害」などは本当に事件の一部しかわかっていなかったのだと痛感した。

最近清水氏は『「南京事件」を調査せよ』(文藝春秋)という新刊を出し、さまざまな論争がある南京事件の真相に迫っている。

こういう事実をとことん追求しようとする記者は心から応援したいなあ。というわけで、清水氏はいま一番私のお気に入りのジャーナリストである。日本テレビのニュースを見ていた人たちは「何をいまさら」って思うかもしれないけど。

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